目 的
「質問力」養成ゲームとして実施しました。
質問したいけど,どう訊けばいいかわからない,言葉が浮かばないと悩む人に向けたトレーニングです。
目 標
導 入
カードを見せて,「この裏には,ある『果物』が書かれています。その書かれたものを当ててもらいます。ただ,このままではわからないので,僕に質問をしてください。ただし,僕は「はい」「いいえ」「答えられない」の3つだけでしか答ません。いきなり当てようとするのではなく,情報を絞るような質問をして,20回以内の質問でカードの裏に書かれたものを当ててください。では,質問をどうぞ。」
はじめに用意していた答え
1,果物 「パイアップル」
2,食べ物「ナス」
3,食べ物「豆腐」
4,食べ物「マグロ」
5,飲み物「カルピス」
6,食品 「オリーブオイル」
7,人物 「小池都知事」
8,場所 「姫路城」
9,スポーツ「プロレス」
10,道具「スマホ」
よくある質問
●「それは大きい?小さい?」「重い?軽い?」など二者択一
→「はい」,「いいえ」では「答えられない」
●「それは高い?」「おいしい?」「みんな持っている?」など
→人によって違うので「答えられない(わからない)」
こういう質問をしてきたときは,「はい」「いいえ」で答えられるような表現にするよう促す。
●回答者が明確に答えられない質問
例:答えがオリーブオイルに対して「それは調味料ですか?」
迷った末に「いいえ」と答えましたが,実際どうなんですか(苦笑)?
まあ,ゲームですから,「”回答者の反応”も情報の一つですよ」と教えます。
展 開
第1回 僕が回答者,参加者が質問者
第2回 僕が用意した答えで,参加者が一人ずつ回答者を体験
第3回 参加者がそれぞれ答えを考え,回答者をやる
第4回 チームを組み,難しい問題に取り組む
参加者の感想
「普段使わない脳の部位を使った」
「質問をするのが難しいことがわかった」など
どんなところが難しかったについて訊くと
「一度イメージしてしまったものから離れられなくなる」
「答えが浮かぶと,それに当てはまる質問をしてしまう」
「どう回答していいかわからない質問があった」
といった感想がありました。
運営のコツ
事前に用意する答えは上記のものである必要はないですが,まずは身近なもの,当てやすいものから始めて,ちょっとずつ意地悪(?)な答えを用意していく。その方が乗ってきやすいですね。もちろん,大前提は全員が知っているものを答えにすること。また,あらかじめ多めに用意していたほうがテンポよくゲームを進められます。1回のプログラムで全部行う必要はなく,あまれば次回に持ち越せばいいですしね。ちなみに,僕がやったときは,「オリーブオイル」以外は20回の質問以内に答えにたどり着きました。「姫路城」に関しては,「観光名所です」とはじめて,「それは日本?」「世界遺産?」「お城?」とあっという間に正解されてしまいました…
第4回の時は,「僕が好きなものです」「最近買って気に入っているものです」「今やってみたいことです」と抽象度を高めた問題を提示。チームを組んでもらうのは,質問がうまく浮かばない人にも参加できるようにするため。こっちのほうが協力,チームワークのトレーニングになり,参加者にとっても満足度が高いように思いました。
余 談
正当な心理プログラムの手続きなら,プログラムの意図とルールをしっかり説明してから開始します。ただ,この手続きって,正直まどろっこしいし,面倒なんですよね(僕自身,やりながら覚えていきたいと思ってしまう性分なので)。それに,デイケアでやる場合「面白くなさそうなものには乗ってこない」メンバーが多いんです。よくわからないもの,つまんないものに気を遣って合わせてくれる…なんてことはあまりしてくれないですね。実際にゲームを進めながら,所々でうまくいくコツを教えていく方が情報の入りがいいように思います。
コメント