言いたいことが出てこない
なんと言えばいいかわからない
言葉がうまく出てこない…
あとになって,こう言えばよかった,なんで言葉がでなかったのかと悔やむ。
自分の気持ちや考えをキャッチして,その場で口に出せるようになる。
そんなトレーニングできないかと考え,この本を見つけました。
著者の梅田氏はコピーライターで,代表作にジョージアの「世界は誰かの仕事でできている。」があり,国内外で30以上の賞を受けているとか。「言葉にできる」は武器になる。という本も書かれており,本書はその実践編。
テーマを設定し,それについて「浮かんだ言葉(気持ち)」を出発点に,「それで?」,「本当に?」「なぜ?」と考えを広げ,深めるメソッドを紹介しています。
今回のプログラムでは,「浮かんだ言葉(気持ち)」と「なぜ?」に焦点を当てて行いました。
モニターに映った色んな画像を見て,どんな気持ちが湧いたか,どんなことを思ったかを発表してもらう。
用意した画像は以下のもの
・動物(かわいい,可笑しい,かっこいい)
・料理(焼肉,ギョーザ,スイーツなど)
・花
・熱帯魚
・風景(リゾート,雪山,森など)
・建築物(教会,神社,図書館など)
・スポーツ(野球,バンジージャンプ,スカイダイビングなど)
・人物
感想がポッと出やすそうな画像を選んだこともあり,言葉が出にくい人,あまり喋ろうとしない人にも取り組みやすいようで,反応よく発表してくれた。
順番に気持ちを言葉にしてもらったあとに,次は「なぜ,そのような気持ちになったのか,その理由を教えてください」と投げかける。その気持ちが湧き出た要素――形や色合い,表情,姿勢,動き,物,場所,過去の記憶などを探り,言葉にしてもらう。なかなか難しかったようですが,皆さんジッと画像を見て答えてくれた。
画像は,はじめは皆が同じような気持ちを持つようなもの,例えば,綺麗な風景,かわいい動物,おいしそうな料理,悲しくなるような表情を用意。そこから少しずつ,人によって感想が変わってきそうなものを見せていく。
反応が面白かった画像は,ボディビルダーを見て「かっこいい」「すごい」という人がいれば,逆に「気持ち悪い」と答える人がおり,激辛料理では「美味しそう」と「自分には無理」,バンジージャンプやスカイダイビングでは「怖い,無理」と「怖そうだけど,やってみたい」などがあった。
最後に,プログラムの感想を参加者に聞くと「自分の思ったことは他の人と違うんじゃないかと思って心配した」「他の人と同じでホッとした」という人が何人かいた。精神疾患がある人にとって気持ちを素直に言葉にするというのは,こちらが思った以上に怖いことのようだ。一方で,「ほかの人と(発言が)被らないようにした」という人もいた(プログラムの趣旨とは違うのだが…)。
うまく展開できるか,正直ヒヤヒヤしながらの実施でしたが,またやって欲しいとの声もあり気に入ってもらえたようです。どの画像を使うかのチョイスが難しいですが,またやってみたいと思います。
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