勤務先の作業療法士から「患者さんにマインドフルネスを教えて欲しい」と依頼され、解説用の資料として作成しました。
マインドフルネスってなに(解答)
マインドフルネスってなに(空欄あり)
マインドフルネス 気づきの瞑想によると、マインドフルネスには大きく2つ「集中のマインドフルネス」と「気づきのマインドフルネス」があるという。本質となるのは「気づき」の方ではあるが、そこに至るには「集中」できることが不可欠となる。
今回作成したのは、主に「集中のマインドフルネス」。
空欄ありの資料を患者さんに渡して、空欄を埋めていくように進行しました。
以下、解説です。
はじめに伝えることは、源流は「瞑想」や「禅」つまり仏教であるが、宗教色を省いたメンタルヘルス改善方法だ、ということでしょうか。スティーブ・ジョブスやビル・ゲイツが生活に取り入れており、グーグルなどのIT業界では職場研修が行われるほど浸透している。
それでは、マンドフルネスとはなにか?
端的に言えば、『今、ここ』に精神(意識)を満たすこと。
そもそも人間は『今、ここ』にいながら、「過去」を思い出したり、「未来」を想像したり、『今、ここ』にはないものを「空想」できる。これによって、学習、反省し、予測することで危機を回避し、今までにない物語や技術を作ることができる。文明や文化を育むためには必要不可欠な能力。
一方で、後悔や恨み、トラウマ、心配や不安、被害妄想といったネガティブな面もある。これらは怒りや哀しみ、恐怖といた感情を生む。そして、その感情が『今、ここ』にいる自分自身に影響する。さまざまな観念が頭の中でとっちらかり、何がなんだかわからなくなる。
『今、ここ』にいながら、『今、ここ』にないことを想い、『今、ここ』が雑然となってしまう。
そんな状態から『今、ここ』に意識(精神)を置くことで、穏やかさや落ち着き、思考や感覚をクリアにする(取り戻す)のがマインドフルネス。
では、『今、ここ』に意識(精神)を置くとはどういうことなのだろう?
実際にやってみようとしても、意識が定まらない。
意識(精神)を『今、ここ』につなげる手がかりが「体の感覚・動き」と「呼吸」。
どちらも『今、ここ』で感じていることであり、行っていること。
ただ、理屈がわかっても、実感しないと理解できない。
エクササイズには身近なものとして紅茶を使いました。
まず、体の感覚(視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚)について確認し、それらの感覚を動員して飲んでもらう。また、ゆっくりとした動作で、体の動きにも注目するよう促しました。
飲み終えた頃に、お茶を飲むことに集中している間、その他のことが頭に浮かんだり考えたりしたか質問しました。
うまく集中できていれば、お茶を飲む以外のことは意識に登らなかったと気づく。
それが『今、ここ』とつながっている状態「マインドフルネス」ですよと教える。
まず、自分の呼吸、吸って・吐くを意識してもらう。
心地よい呼吸を目指して、一つずつ姿勢を整えていく。
呼吸に集中し続けると、ついつい体に緊張が生まれる。
集中とリラックスが両立できることを教え、あらためて姿勢をつくっていく。
リラックスといっても、あまり長くやると疲れてしまうので、今の段階では「体験」で終える。
患者さんに感想を聞くと、予想通り「ムズカシイ…」という反応が返ってきました(苦笑)
「まあ、一回聞いて理解できるものでもないので、気に入ったところがあれば日常生活に取り入れてみてください」と言って終えました。
以上、初級マインドフルネス講座でした。
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